厚生労働省が調査した平成20年~平成25年度の医療施設動態調査によると、少子高齢化を背景にして小児科クリニックが2,905か所から2,642か所へと明らかに減少しています。
今後もこの傾向は続くものと予測出来ますので、小児科クリニックを開設する場合はその地域の人口やお子さんの数がどのように変化するかを事前に調査しなければなりません。

また最近は小児科を利用する母親がクリニックの評判をスマホで友達に教えたり、ネットの掲示板に書き込むなどしてすぐに評判が拡散してしまいます。
出来るだけ良い評判を広めてもらえるように、医師はもちろんクリニックスタッフの教育や指導を徹底しなければなりません。

このページでは小児科クリニックの開業資金や開業に当たっての注意点などをまとめています。

クリニックを軌道に乗せるには口コミが大事

お子さんの多い時代は小児科医師募集に多くの医師が応募してきた事もありましたが、少子高齢化の今、小児科は産婦人科と同じく斜陽分野などと呼ばれ避けられるようになってしまいました。
お子さんが少ない時代の特徴ではありますが、親が子供にかけるお金や時間も昔とは比較にならないほど手厚く、少ない子供に出来る限りの愛情とお金を注ぐ傾向にあります。

大事な子供の体調が悪化した場合、やはり誰よりも心配なのは親です。
そんな親御さんの気持ちを汲み取り、優しく声掛けしたり丁寧に接すると「あのクリニックの先生は人柄がとても良い」「腕が良い」と良い評判を得ることが出来、さらにその評価がラインやメールで瞬時に他の親御さんに伝わりあっという間に拡散します。

最近はネット掲示板に特定のクリニックの評判を書き込めるため、不特定多数の方がクリニックの評価をチェック出来るようになっています。
クリニックの評判を上げるような診察・治療・対応をする事でクリニックの運営を素早く軌道に乗せられるのが小児科クリニックの特徴です。

患者にきめ細かい配慮が出来るかどうか

乳幼児や小児はまだ体の抵抗力が弱く、感染症などに掛かる可能性が高い状態です。
「病院に行くと病気をもらってくるからイヤだ」という親御さんもいるほど、他のお子さんの感染症を気にしています。
そこでクリニックに隔離室を設置し、インフルエンザや風邪を引いたお子さんを別室に分けると他のお子さんも安心して受診できます。

さらにお子さんを連れてくる親御さんが車や自転車などを使うことを考えて、駐車場の広さや台数に余裕があると歓迎されますし通いやすいため集患しやすくなります。
待ち時間緩和のために順番待ち予約システムなどを導入するなどして、混雑解消のための工夫をすれば患者やその親御さんからの評価もアップします。

小児科クリニックの開業資金について

小児科クリニックを開業するためには、土地や建物のために約3,000万円前後からの費用がかかります。
広い駐車場を確保しようと思えば、さらに費用がかかるかもしれません。
さらにX線撮影装置、超音波診断装置、心電図などの医療機器を設置しなければなりません。

トータルで必要な費用は最低でも4,000万円以上の費用がかかります。
大きな費用を掛けて事業を開始する以上は、きちんと運営出来るような計画を立てる必要があります。

少子高齢化により生まれてくる赤ちゃんの数も減少しており、産婦人科クリニックも数が減る傾向にあります。
さらに産婦人科は訴訟問題を抱えてしまうケースもあるため、医師の中には産婦人科を避ける方もいるようです。

少子高齢化や訴訟リスクから産婦人科医師不足となっており、産婦人科の医師募集を行っても思うように集まらない現状も。
これから産婦人科クリニックを開業される場合、開院する場所や動向を良くチェックする事をお勧めします。

分娩を取り扱うかどうかを決める

産婦人科は産科と婦人科の両方を扱う診療科目です。
産科はその名の通り妊娠や出産、産後ケアなど出産に関するサポートを行う診療科目であり、一方婦人科は子宮がんなど女性生殖器に関する病気の診断、治療を行うほか、性感染症や不妊、更年期障害、生理不順など女性特有の症状・病気を扱います。

婦人科だけであればお産に関わる事は一切ありませんので、訴訟リスクがかなり低くなるのはメリットでしょう。
婦人科の患者は女性しかいませんので、女性医師(同性の医師)であれば患者の抵抗感はかなり少なく、安心して診察が受けられるのが魅力です。
分娩を取り扱うかどうかは重要な点になりますので、慎重な判断が必要です。

自由診療でクリニックの収入アップ

産婦人科クリニックでは自由診療(自費診療)のメニューを提示する事が出来ます。
子宮頸がんワクチンや風疹ワクチン、風疹・麻疹抗体検査などのワクチン接種はもちろん、出生前診断、不妊治療、3Dや4Dエコー、低用量ピルなど妊娠出産に関わる診察を自由診療で行えるのが産婦人科の特徴です。

自由診療なので料金は各クリニックで自由に設定が可能。
最近はプラセンタ注射や疲労回復を目的としたにんにく注射など美容に関する自費診療サービスを提供しているクリニックもあります。

どの程度患者に受け入れられるかは分かりませんが幅広い医療サービスを提供する事で集患アップを目指す産婦人科の場合、美容系メニューも提示して魅力アップにつなげています。
またお産ではゴージャスな入院施設やレストラン並みの食事を提供する事で他のクリニックと差別化を図るケースもあります。


画像引用サイト:https://www.akihabara-skin.com/treatment/injection-placenta/

産婦人科の開業費用について

他の診療科目と同じように、土地の取得代やクリニックの建築費用として約3,000万円から費用がかかります。
クリニックによっては入院施設を持ち、ゴージャスな入院施設を設置するケースも。
そうなるとさらに建築費が上がりますので、場合によっては億単位の費用がかかる事も有り得ます。

さらに設備費用として約2,000万円前後の費用がかかるとみておきましょう。
診察用のベッドや内診台、X線撮影装置、超音波診断装置、コルポスコープなどの設備を購入するとそれなりの費用がかかります。
最終的にどれだけの開業費用がかかるかは各クリニックによりますが、最低でも5,000万円程度の費用がかかると考えておくと良いです。

  • 1